2010年12月10日 10:43

元々はUnreal Tournament 3のMOD作品として発表され、コンテスト等で高い評価を受けた後、晴れて製品版としてリリースされた一人称視点パズルゲーム「The Ball」をプレイ。
期待と興奮で胸を膨らませつつ、メキシコの山岳地帯で遺跡を発掘中であった考古学者の主人公でしたが、足を滑らせて地下洞窟に転落するオチャメをしでかしてしまいます。
洞窟を進むと、そこには広大な過去の遺産である地下帝国が広がっていました。
プレイヤーはフンコロガシのように巨大なボールを転がし、トラップとギミックだらけの遺跡を右往左往しながら、太古の謎を解き明かさなければなりません。

本作の主人公は、そこらのゲームで登場するような屈強なタフガイではありません。
アタマの中は「太古のロマン」などという金にもならないことでいっぱい。自分の分析と勘だけを信じ、バクチまがいの遺跡発掘作業を続ける夢追い人。長期の海外滞在で家庭も大絶賛放置中で、たまに家に帰ればヨメと娘に邪魔者扱いされてしまう悲しいパパ……なのかどうかは分かりませんが、とりあえずはフツーの男性な訳です。
もちろん懐からガバメントを取り出したりしませんし、皆さんが大好きなアサルトライフルもショットガンも持っておりません。
彼にできることは、遺跡で拾った中二病デザインの明らかにヤバそうな装置を使い、デカいボールを転がすこと。それだけです。

このタマタマ転がし装置ですが、右クリックで玉を引き寄せ、左クリックで勢い良く前方に弾き出します。
Half-Life 2のグラビティガンに似たモノと思ってもらえたら良いでしょう。
これを使ってボールを操り、ルートを切り開く為のタイルまで導いたり、モンスターを容赦なく轢き殺したりします。
プレイを続けていると、Portalのコンパニオンキューブのように、この怪しく無骨なボールに対しても段々と愛着が湧いてくるもの。
昔、某サッカー漫画で「ボールは友達だ!」とキチガイじみたことを言っている少年がいて「ああ、人間の友達がいないんだな。気の毒に」と思った経験がありますが、今なら彼の気持ちが理解できるような気がします。ボールは友達だ!

巨大なボールと巨大な仕掛けが織り成すギミックの数々は、風雲たけし城を彷彿とさせるスケールのデカさを感じさせます。
敵との戦闘が少々凡庸かつ、リプレイ性が全く存在しないので、すべての人に強くオススメはできませんが、全体的に良く出来ている作品だと思いました。
有志による日本語化もリリースされており、英語が苦手な方でも安心。
DEMOもリリースされているので、気になる方はプレイしてみると良いでしょう。
The Ball 日本語化
DEMOダウンロード(4Gamer)
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