2010年02月24日 11:12

古き良きオールドスクールFPSに爽快感重視のコンボシステムを合体させ、荒削りながらもB級FPSファンからそこそこの評価を得た前作「NecroVisioN」。その拡張パック「NecroVisioN: Lost Company」がリリースされましたのでプレイしてみました。
ちなみに「拡張版」と銘打たれているものの、スタンドアローンで動作します。
今作は「NecroVisioN」での悪役であったネクロマンサーZimmermanが主人公となります。
一介の兵士であったZimmermanが、なぜ悪に染まってしまったのか。その謎が明らかになる訳です。
(前作NecroVisioNの記事はこちらから)

結構細かい変更点があるようですが、システムに関して大きな相違はありません。
本編同様、「Adrenarin」によるバレットタイムと「Fury Level」によるコンボシステムによって、戦闘における彩りを演出しています。
今作は硬い敵が多いようですので、積極的にグレネード系のアイテムを使用し、少しでも危機を感じたら「Adrenarin」を発動させましょう。
「Fury Level」を上昇させる為に必要な「Vampire Artifact」は、毎度おなじみのシークレットエリアに隠されています。かなりデタラメな場所に隠されているケースもある為、自力で全てを発見するのは骨の折れる作業。
今作は仲間と共に行動するシーンが非常に多く、CoDシリーズのような男同士の熱い連帯感を彷彿とさせ……と言いたいのですが、ぶっちゃけ邪魔くさいだけであり、作品の戦闘システムにマッチしていないような気がします。

クリアまで5~6時間程度。拡張パックとしては妥当なところでしょうか。ただし、シークレット探索を行うのであれば、かなりの時間が上乗せされるでしょう。
Fury Levelを頑張って上げても、きれいに上限いっぱいまでコンボが繋がるシチュエーションがラストの魔界ステージぐらいしか無いのが悲しかったですね。そして、その魔界ステージもすぐに終わってしまうので、少々肩透かしを食らった感じ。
ドラゴンやゴーレムなどの巨大ボスとの戦闘は相変わらずテンションが上がる素晴らしい出来。しかし、それまでのザコ敵との戦闘が少々ストレスが溜まる印象。
一般的に「拡張版」というものはファンディスクのような存在ですから、難易度を上げた作品としてリリースすることには異議はありません。しかし、「硬い敵を出すことで難易度を上げる」というのは、爽快感重視の撃ちまくりFPSにとって鬼門なのではないでしょうか。
敵が硬くて倒すのに時間が掛かるとコンボも繋がらないし、作品としての素材の良さを殺してしまっている感じがします。

エンディングで「ネクロマンサーはすぐに戻ってくるぜ!」と血気盛んなメッセージが記されておりました。
続編は大いに結構なのですが、荒削りなものが新鮮に映るのは最初だけ。非常にクセが強く万人向けではない作品だけに、やはり最低限のレベルで洗練されていないと、家庭用とのマルチプラットフォームが中心の今、新規ファンを獲得することは難しいでしょう。
あと大きなお世話かもしれませんが、過去の遺産でしかないPain Engineは安定性・機能性共に乏しいので、いい加減見切りを付けなり、大幅なバージョアップするなりした方がよろしいのではないかと思います。
個人的には気に入っている作品ですので、次回作では更にレベルアップしたものに仕上げてもらいたいですね。
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