2009年05月27日 10:28

「スチームパンク」「Sci-fi」 「ウエスタン活劇」という、夢見がちな男の子がそわそわしてしまうキーワードをテーマに製作されたアクションTPS「Damnation」がリリースされましたので、Steamで購入してプレイしてみました。
販売および製作はCodemastersとBlue Omega Entertainment。
ゲームスタイルとしてはTomb RaiderシリーズやPrince of Persiaシリーズにかなり影響を受けているようです。

南北戦争が40年続いているという「if」の世界のアメリカが舞台。
南部と北部、そしてPSIという新興勢力という三つ巴の戦闘が続く中、ゲリラ組織Peacekeepersのゴリラ・・・じゃなくてHamilton Roukeさんの活躍が描かれます。
愛するメスゴリ・・・じゃなくて婚約者をPSIにさらわれたRoukeは、果たして彼女を救い出せるのか。
そして不毛な戦いを終わらせ、ジャングル・・・じゃなくてアメリカに平和をもたらすことができるのか。

Blue Omega Entertainmentは元々映画製作などに携わっている会社のようで、その影響もあってか、広大なマップをシネマティックに表現することについては成功しています。
特に「高さ」に拘ってマッピングされており、地上が遥か下に見える超高所を様々なアクションで移動してゆく様はなかなかの見もので、何度もキンタマがキュンとなることでしょう。
しかしながら、とにかくテクスチャ、オブジェクト、キャラクターの作りこみが甘いため、雰囲気的には1世代~2世代前のゲームをプレイしているかのような印象しか感じ取ることができないのが致命的。
グラフィック設定を上げても劇的な変化や改善もなく、フレームレートもコンシューマ機同様に60FPS固定のようで、PCでプレイする恩恵はほとんどありません。

リリース前の製作側発表によると「いくつも移動ルートが用意されており、様々な攻略が可能」とのことでしたが、実際はまったく期待するほどではなく、プレイしている感覚としては一本道ルートのゲームとさほど変わりません。写真指名した風俗嬢が、実際見てみると大して可愛くなかった時のような限りないガッカリ感を味わえます。
謎解きに関してもTomb Raiderのような高度なギミックがある訳でもなく、ちょっとした味付け程度、もしくは子供騙しであり、達成感もクソもありません。

広大なマップ内をわずかなロードでシームレスに移動することが可能となっており、長距離の際はバイクや3輪バギーが用意されます。
金田バイク並にピーキーな操作性のため、少しでも油断すると谷底に直行して速攻でお陀仏です。

戦闘内容に関しては、AIのレベルだとか爽快感だとかを語るまでもないお粗末さ。
「何故か山ほど配置されているドラム缶をピストルで爆破して側にいる敵を倒す」 → 「スナイパーライフルでプチプチ狙撃」 → 「わずかに残った敵をマシンガン等で適当に倒しながら進む」
ほとんど上記の繰り返しで事が済むので、枯れた中年夫婦のセックスのようなマンネリ感が漂います。
全ての敵を倒さなくても進める上に、敵が感知する音・視覚の範囲が相当に狭く、ちょっと離れている敵ならば、こちらから攻撃さえしなければ棒立ちのままなので適当にスルーしても構いません。
「サクサク進める」と言えば聞こえは良いですが、単なる手抜きか技術不足としか思えない出来栄え。

マルチプレイにはデスマッチやCTFなどのモードとCOOPが用意されています。
しかし、現時点でサーバーは全世界で片手で足りる程度であり、発売直後でこの状態であれば、今後も期待はできないでしょう。
COOPは最大2名まで。キャンペーンのストーリーを協力しながらプレイすることができます。
Listen Serverしかプレイする方法がないため、自分がホストをするか、誰かがホストしているゲームに参加するしかありません。

作業じみた単調な移動。
退屈な戦闘。
取ってつけたような謎解き。
ゲームを攻略する楽しさがどこにも見当たらないその内容は衝撃的で、「2009年度買ってはいけないゲームランキング」があったら堂々のランクインは確実。
Codemastersは会社の命運と面子を賭けた超大作「Operation Flashpoint 2: Dragon Rising」のリリースも間近に迫っておりますが、こんなレベルの低い作品に関わっていて大丈夫なのかと思わず心配してしまいます。
とにもかくにも、当ブログが自信を持って「オススメできない」と言い切ることができる作品です。
退屈の先にある何かを求める修験者の方以外は、華麗にスルーしておくのが賢明と言えるでしょう。
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